ツトム・ミズタ 展 2011
10.3(Mon) – 10.15(Sat) 2011
PM12:00~PM7:00 (Last Day PM5:00)
Closed on Sunday
ツトム・ミズタ 展 2011 "Bricolage & Frottage"
ツトム・ミズタとリトグラフ 玉 征夫 (美術家)
リトグラフ(石版画)は18世紀末に発明されたもので、水と油の反発作用を利用した版種である。作家が版に直接描いた絵をそのまま刷ることができる。本来は石版石を使うのであるが、アルミ版などで代用することができる。
ロートレックやルドンのリトグラフが有名だが、1960年代以降はジャスパー・ジョーンズ、デイヴィッド・ホックニーなどアメリカ現代美術作家の多くがリトグラフを制作した。
リトグラフは技法が複雑なことから、専門の職人を有する工房で共同作業をするのが一般的である。現在、ツトム・ミズタの所属する リトグラフラボ・ツクハエ はそれとは異なり、自刷りのできる版画家を対象としていた。しかし、そのような利用者は皆無で、しだいに初心者指導を行なうようになっていた。ツトム・ミズタが工房を訪ねて来たのは、そんな頃で、2008年の7月であった。
ツトム・ミズタは1947年に神戸で生まれた。神戸は具体美術の拠点であったことから、向井修二などの具体作家と若い頃より関わりを持ってきた。近年、堀尾貞治とは年5回ほどのペースでグループ展を行なっている。しかしリトグラフを始めた動機は別にあるようだ。1966年春、神戸のデパートで観たというアメリカ現代美術展。特にポップアートに強く惹かれたことと関係しているように思う。当時のアメリカ現代美術作家は、版画を新しい表現方法として取り込んでいた。1980年代にはニューヨークのはずれにあったタイラー・グラフィックスで、ポップアートを継承したホックニーがマルチカラーリトグラフを制作している。
ツトム・ミズタは工房に来る前、そのタイラーの名を冠したシンガポール在のタイラープリント・インスティチュートを見学している。それも偶然ではあるまい。
ツトム・ミズタのリトグラフは全体に薄刷りである。それが好みらしく「関西風薄刷り」と称している。作品のテーマのほとんどは、仕事で20年近く往来しているインドネシアに由来するものである。刷り上がった作品は、ジャカルタで発行されている邦字誌「南極星」に毎月掲載され、現地ではちょっとした有名人だそうだ。
PROFILE
ツトム・ミズタ (Tsutomu MIZUTA) Biography
1947 BorninKOBE
SoloExhibitions
1997 ”MixedMediaWorks”
Nankin-machiGalleryChoya,KOBE
2000 Installation”Intherain,thewind&thesun”
Nankin-machiGalleryChoya,KOBE
2003 ”Withaframe,withoutaname”
KORE-IPPIN,AMAGASAKI
2004 ”VisitIRAN”
gallery&barJIDAI-OKURE,OSAKA
2008 ”10SelectiononSARASAIndonesia”
GalleryMukai,KOBE
2009 Installation”GodsRun”
SPCGALLERY,TOKYO
2010 ”PolyphonyonLithography”
SPCGALLERY,TOKYO
2011 ”Bricolage&Frottage”
SPCGALLERY,TOKYO
GroupExhibitions
2008~ ”KurageBunkoSeries”
KurageBunkoArtSpace,OSAKA
2009 ”LithoLaboTSUKUHAEVol.1″
SPCGALLERY,TOKYO
2010 ”ByGraphics”
GalleryHinokiBC,TOKYO
2011 ”WithinEightWalls”
GalleryHinokiBC,TOKYO
”LithoLaboTSUKUHAEVol.2″
SPCGALLERY,TOKYO
2011 ”Sewing3″
KurageBunkoArtSpace,OSAKA
SerialonMagazine
2005 Aug~2010SepFreeMonthlyMagazine”SARASA”
PublishedinJakarta,INDONESIA
2011 Jan~FreeMonthlyMagazine”SOUTHPOLARSTAR”
PublishedinJakarta,INDONESIA