河野 圭一 展 2012
3.5(Mon) – 3.17(Sat) 2012
PM12:00~PM7:00 (Last Day PM5:00)
Closed on Sunday
河野 圭一 展
KOUNO Keiichi – Painting –
作家の能書き
昨年は表現の意味を考えさせられる年でした。自問自答しているうちに、20年前の光景が蘇ってきた。雑居ビルをあがると小さな事務所があり、初老の男が居て、開口一番に、「それで、きみはなぜ絵を描こうと思ったのか?」と質問された。
それは、そもそも、きみにとって絵とはなにで、絵画の自明性をきみは疑ってないのか?と言っているように思えて答えに困ってしまった。
それから、ぼそぼそと制作を続けているが、これをやっていなかったらどんな人間になっていたかわからない。人の意識は有象無象の感情がうずまいているが、肯定的なエネルギーだけではなくややもすると否定的で破壊的な衝動といった負の感情も同時に持ち合わせているが、それらを転換、昇華する錬金術のような回路があるように思います。
不完全であやふやな人間が、結晶のような完全(普遍性)に憧れるとは、言い換えれば生きていながら、皆一人残らず 人にとって死とはなにかと、本能的に考えているということかもしれません。ぐずぐず考えているうちに眠りにおちて夢のなかで、あの矛と盾を売っている男になっていた。それで 「答えは出たのかい?」と初老の男に問われて目が覚めた。また日常が続いていた。わたしにとって平面とは、不在のイメージへの魔除けのようなものとして、反復していく。
反復① 65×53
反復② 65×53
反復⑤ 72.5×53
反復⑨ 72.5×61
反復⑧ 72.5×53
反復⑥ 72.5×61
反復③ 65×50
反復④ 72.5×53
低級唯物論 (mixed media) 27.3×22
< 参考図版 (2007年作) >