神田エレジー 展
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精神産物縁故2025 新里陽一追悼展
神田エレジー
伊藤 七男 紙にドローイング
野村 俊幸 紙にドローイング
含 真治 木彫に彩色
竹内 博 紙にドローイング
坂牛 幹雄 鋼鉄に磨き
菅沼 緑 木材に塗り
新里 陽一 紙にドローイング (2021年作). 刊行物, 2種 (2019/2018年)
新里 陽一 紙にドローイング (2008年作 後啓子氏蔵)
三輪 美奈子 針金, 紙, 布
伊藤 博史 紙, 土, ボンド
大塩 博美 紙にドローイング
高島 芳幸 積層角材にドローイング
後 啓子 針金, 紙にドローイング
新里 陽一 紙にドローイング. 積層合板に彩色 (2022年作)
松浦 延年 木製パネルに油彩, 樹脂
田口 みどり 角材にジェッソ, 紙にドローイング
松浦 延年 木製パネルに油絵具, 樹脂, 写真 (1993年 松浦氏撮影 新里陽一43歳)
「失われた時を求めて」 ※藤崎しげる著 2019年刊行 あとがきより。
サプリメント(Nのために) 永倉 知美(美術家)
この冊子に先立つ話題である。Nからの依頼により、作品集Nの編纂を手掛けた訳だが、言うまでもなく気軽に引き受けたつもりはない。困難を極める作業となるだろうことは容易に想像が付いたからだ。それは二〇一七年初頭と記憶しているが、正に武者震いである。実際にNが写真やポジ、ネガ、その他資料を持って上京したのは同年6月に入ってから、7月下旬までの数回に渡る。こちらとしては、全部まとめて送って頂ければ良かったのだが、まずはそうはならない。さて全体が見えなければ仕事にかかれない、と言う訳で資料は一先ず寝かしていたのだが、やがて資料が揃い、現実の打ち合わせの時点がくる。まずは当人の誕生日を発行日とする件が提示された。それは大変結構なことなのだが、問題は、同年8月18日と言う訳で、いささか面食らったのだが、なんとか摺り合わせ、翌二〇一八年の発行として了解頂いた。しかし、何かの順番を見誤ったかどうかは、いざ何とやらである。ただし、ボリュームによって製作時間は、大幅に異なることは言うを待たない。
さて、作品集N、八甲田山の様な製作に突入する訳であるが、いちいちの件に付いては、あり大抵であろう。ただしN本人は、この冊子を読めばご理解頂ける様に、大変、几帳面な人物である。故に持ち込まれた資料の整理術には安心感があった。が、しかし累々たる写真の量には圧倒させられた。それだけの年月にそれだけの発表、総集大成ともなればご想像頂けるであろう。失礼だが、N本人には、どうやら選ぶことが不可能だったのかもしれない。一年の猶予ができたとは言え、締め切りは、常時半月後と言った気分にさせられた。しかし、妙な話に聞こえるかもしれないが、写真のセレクトを任されたのは、むしろ不幸中の幸いだったのである。全く自由気儘、直感的にセレクトさせて頂いたのが、出来上がり次第の校正紙に入った赤は一部のテキストのみであった。やがて中盤戦を超え、作品集N、一三四頁、N134 研究室。個展。偶然、同3桁の数字が並ぶ。アトリエ兼自宅展であるが、実に面白い。現代美術には、これも有りである。ここにジャンパーが有る。そして、同個展の締め頁は、またまた特大ジャンパー写真である。してやったり(笑)。とは、いささか不謹慎であろうか。
製作入りして、いよいよ半年も過ぎただろうか、関係者や知人の間では、「あの本はもう世に出ないだろう」と、ささやかれているのが、風の噂で耳に入る。進めているものはもので、頓挫は許されない。正に激戦区へと突入する。スキャニングデータは、写真等、資料含めて有に600 を超すものとなった。それも全て画像補正入りとしていく訳であるから時間がかかるのは言うまでもない。Mac が逝ってしまうのではないかと、入念なバックアップ。日々是、台割りと睨めっこと相成る。気が遠くなっていく瞬間も。こうした訳で、作品集Nは、およそ不可能な道程を経て、ビビットなグリーンの表紙を纏って出現することとなる。このグリーンは、Nが履いて来た靴下の色であり、それを自ら指定した。そして、二〇一八年8月18日(土)発行日としつつ、完全データ入稿、9月13日(木)。現物納品、9月29日(土)。予てより予定していた、出版記念展、開催の一週間前である。二〇一七年8月製作スタートから、全行程14ヶ月。2ヶ月オーバーしたとは言え、タイトスケジュールであったことは間違いない。奇跡の本。そう思っては、胸を撫で下ろしたものだ。
しかし、この人物、N。知る人こそあれば、今更、云々するのも何だろう。まずは作品が良ければこそ評価の対象となろう。が、この人物は、その私的な自らの生活、行動、他者とのやりとりを含めて芸術化しようとしているのだろうか。彼には、自らの物語があってこその美術作品であり、その逆も真成りである。また此処で、貴方が手にするだろう、この新しい冊子こそが、このことの良き例であり、作品であり、そしてその手描きの生原稿は、彼のドローイング以外の何ものでもない。そして話しは、行き来するが、作品集Nもまた、同様である。或いは、彼が名付けた通りである、N作品付録集。つまり、彼本人(芸術家)の付録としての作品であるとも解釈できる。同集奥付けの裏にこうある。「物語が終わり、事実が始まる。」果たして「事実」は、始まったのだろうか。この冊子が世に出る頃は、既に二〇一九年8月18日(日)を過ぎて、Nは70歳になっているだろう。人は、何れは死ぬ訳だが、Nが横たわればZになる。即ちこれΩオメガと相成る。「物語」に決して終わりはないのだろう。
二〇一九年8月盛夏 終わり
新里 陽一 刊行物, 2種 (2019/2018年)
※"藤崎しげる" とは、新里陽一のペンネームです。なお、同刊行物及び "作品集N" は、現在も SPC GALLERY で配布しております。
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プロフィール
新里 陽一 (NIISAT Yoichi) プロフィール 2025
1949年8月18日 岩手県生まれ
1972年3月 日大芸術学部美術学科卒業
2025年3月某日 脳梗塞のため逝去 享年75歳
作品付録集 展覧会目録 2018年より ※追補 2018 ~ 2025年
① 1972年 7月3日~7月8日 ときわ画廊 (日本橋・東京)
<娼婦の館> 太田正明氏 <化性に因る> との2人展
② 1973年 1月22日~1月27日 ミヤマ画廊 (銀座・東京)
L’EXILÉ・追放者. Ⅱ. RESEARCH 13 & MATERIALS
FOR RESEARCH WORK 他5人とのグループ展
③ 1973年 3月12日~1月18日 田村画廊 (日本橋・東京)
THE CAESAREAN OPERATION 《帝王切開》 個展
④ 1973年 4月16日~4月21日 ギン画廊 (銀座・東京)
《歯痛》 個展
⑤ 1973年 6月11日~6月16日 ときわ画廊 (日本橋・東京)
《歯痛 (2) 雨は地下鉄へと流れ始めた》 個展
⑥ 1973年 12月3日~12月8日 サトウ画廊 (銀座・東京)
「窒息または静かな生活」 個展
⑦ 1974年 6月10日~6月15日 ときわ画廊 (日本橋・東京)
「插話Ⅰ」 個展
⑧ 1975年 6月16日~6月21日 ときわ画廊 (日本橋・東京)
「SERENADE」 個展
⑨ 1975年 12月1日~12月7日 真木画廊 (日本橋・東京)
「セレナーデ SERENADE」 個展
⑩ 1976年 6月14日~6月19日 ときわ画廊 (日本橋・東京)
「SERENADE」 個展
⑪ 1976年 12月6日~12月12日 田村画廊 (日本橋・東京)
「セレナーデ SERENADE 杉の木の裏側まで行けば、
幼少の頃の歯痛を思い出すだろう。」 個展
⑫ 1977年 2月15日~2月20日 ギャラリー射手座 (京都)
静かな生活より「静物、ドラマのような微笑」考
奥様 ! コーンスープをどうぞ。 個展
⑬ 1978年 2月6日~2月12日 真木画廊 (日本橋・東京)
「落下傘」 個展
⑭ 1979年 7月30日~8月4日 ときわ画廊 (日本橋・東京)
「落下傘」 個展
⑮ 1981年 7月20日~7月25日 ギャラリー彩園子 (盛岡・岩手)
「YELLOW DOG BLUES」 個展
⑯ 1981年 12月21日~12月26日 ときわ画廊 (日本橋・東京)
「Women’s Blues」 個展
⑰ 1982年 4月21日~4月26日 藤沢市民ギャラリー (藤沢・神奈川)
発現・おのずからみずから展 グループ展
「テンダーウォール」
⑱ 1982年 8月30日~9月4日 神奈川県立県民ギャラリー (横浜・神奈川)
発展・成生のアイテム グループ展
「やさしい牧場 (又は COLORED EMERGENCY-1) 」
⑲ 1982年 12月6日~12月25日 ギャルリー ラランヌ (銀座・東京)
「新里陽一、ドローイング・ショウ」 個展
⑳ 1983年 4月2日~4月30日 2人称・画廊 (西蒲田・東京)
新里陽一、マンスリーショウ -T.N.に捧げる-
「やさしく、悲しみに沈む牛」 個展
㉑ 1984年 12月10日~12月22日 ギャルリー ラランヌ (銀座・東京)
「ドローイング&インスタレーション」 個展
㉒ 1985年 12月9日~12月21日 N-1 GALLERY WEST (名古屋・愛知)
空間-遊 グループ展
「牡牛シリーズ」より
㉓ 1987年 4月27日~5月2日 藍画廊 (京橋・東京)
「牡牛シリーズ (又は LAST EMERGENCY) 」 個展
㉔ 1988年 2月8日~2月13日 ときわ画廊 (日本橋・東京)
牡牛の、つづき物語Ⅳ「感触」 個展
㉕ 1988年 6月23日~6月30日 かわさき駅前市民ギャラリー (川崎・神奈川)
欲望の海をわたる絵画 グループ展
牡牛の、つづき物語Ⅴ「感触」
㉖ 1988年 9月17日~9月30日 ATRIUM (鷺の宮・東京)
牡牛の、つづき物語Ⅵ「感触」 個展
㉗ 1989年 1月4日~1月8日 世田谷美術館 (世田谷・東京)
「未在」89展 グループ展
「牡牛シリーズ」より 「牡牛の血Ⅰ (OX’S BLOOD 1) 」
㉘ 1989年 5月22日~5月28日 真木画廊 (日本橋・東京)
final 牡牛の、つづき物語「感触」 個展
㉙ 1990年 9月6日~9月25日 かわさきIBM市民文化ギャラリー (川崎・神奈川)
「シネラリア4 兵隊たちの詩」 個展
㉚ 1990年 9月15日~9月29日 ギャルリー ラランヌ (銀座・東京)
「シネラリア5 黒い植物」 個展
㉛ 1992年 8月8日~8月17日 Nスタジオ x スタジオK (三浦・神奈川)
K²NT 134 展「侵入態・ふたたびの夏に」 グループ展
標本「触角シリーズ」カマキリに羽がなかったら、アイルランドはもっと身近だったろう。
㉜ 1994年 1月7日~1月15日 ときわ画廊 (日本橋・東京)
親愛なるOさんに捧げる 標本「触角シリーズ3」アイルランドの赤いブナの木 個展
㉝ 1994年 12月6日~12月18日 神奈川県民ギャラリー (横浜・神奈川)
「Y3-1Dec, au-delà」カボチャの種をいつ庭に植えた。 グループ展
ANTENNA 標本「触角シリーズ5」手を振るアイルランドの緑色の少年たち
㉞ 1996年 8月4日~8月18日 旧三崎漁協魚市場 x Nスタジオ「繁殖する静物」 (三浦・神奈川)
K²NT 134 展「音のない夏-メタリックな海と柔らかい美術たち」 グループ展
標本「黒い植物シリーズ2」旅人と夢を見る馬のために咲く花 参加名「NOSfigurehead」
㉟ 1998年 3月11日~3月31日 Nスタジオ「繁殖する静物」 (三浦・神奈川)
N 134 研究室展 (クオーク ! 海鳥の鳴き声が聞こえる 3) 個展
㊱ 1998年 8月1日~8月18日 N2スタジオ「繁殖する静物」 (雫石町・岩手)
N 46 研究室展 (山々に願望が解けて木の精になる。) 個展
標本「黒い植物シリーズ3」旅人と習性変化した動物たちのために咲く花
&「素朴な果実シリーズ」のための考案
㊲ 1999年 3月1日~3月13日 ギャラリー彩園子 (盛岡・岩手)
磁気状況99 Part 2 展 2人展
食卓-子供っぽい戯れ3「素朴な果実シリーズ」のための考案
㊳ 1999年 10月18日~10月30日 ギャラリーサージ (岩本町・東京)
晩餐-子供っぽい戯れ4
last「素朴な果実シリーズ」のための考案 個展
㊴ 2000年 8月18日~8月31日 Nスタジオ「繁殖する静物」 (三浦・神奈川)
N 134 研究室展 (クオーク ! 海鳥の鳴き声が聞こえる 4) 個展
finish 標本「黒い植物シリーズ4」旅人と真っ直ぐに歩く蟹のために咲く花
㊵ 2000年 12月16日~ 2001年 1月7日 Nスタジオ & 三浦海岸広場 x 長浜海岸 (三浦・神奈川)
「半島Ⅰ」ケームと手段 展 団体展
埋葬キャンプ-子供っぽい戯れ5 L’AIR EST FLUIDE MAIS PAS LIQIDE
㊶ 2002年 11月18日~ 2003年 3月31日 芸術倉庫 (那須町・栃木)
標本「水の呼吸シリーズ」藤崎しげる著「標本Ⅱ」刊行記念個展
㊷ 2005年 10月8日~11月6日 (東和町・岩手)
街かど美術館 アート@つちざわ<土澤>展 団体展
「土澤タウンミー」子供っぽい戯れ6
㊸ 2006年 1月31日~2月18日 SPC GALLERY (兜町・東京)
標本「水の呼吸シリーズ」やごの舌 “カスタネット” 個展
㊹ 2006年 8月5日~8月27日 N2スタジオ「繁殖する静物」 (雫石町・岩手)
N2スタジオライブ8 カントウホクマンダケ 2人展
《SHIZUKUISHI会議-2つの報告展》山々からの、季節の深い呼吸の歌が聞こえる。
㊺ 2008年 4月29日~6月29日 アートステーションギャラリー 旧荒屋小学校 (八幡平・岩手)
標本「水の呼吸シリーズ3」空気の穴に向かって・・・ 個展
㊻ 2009年 8月1日~8月30日 N2スタジオ「繁殖する静物」 (雫石町・岩手)
N2スタジオライブ17 カントウホクミナダケ 2人展
《SHIZUKUISHI会議-2つの報告展》山々からの、季節の深い呼吸の歌が聞こえる。
㊼ 2011年 10月8日~11月6日 (東和町・岩手)
街かど美術館2011 アート@つちざわ<土澤>展 団体展
「土澤タウンミー3」最後の子供っぽい戯れ
㊽ 2012年 8月20日~9月5日 N2スタジオ「繁殖する静物」 (雫石町・岩手)
N2スタジオライブ28 ニホンミナダケ グループ展
《SHIZUKUISHI会議-ミンナの報告展》山々からの、季節の深い呼吸の歌が聞こえる。
㊾ 2015年 11月7日~ 2016年 1月31日 八丁土蔵ギャラリー (東和町・岩手)
僕の、ラスト ストーリー。 個展
標本「水の呼吸」シリーズより 標本「空気の穴」シリーズより
以下、※追補
50. 2018年 10月8日~10月20日 SPC GALLERY (兜町・東京)
「花のきざし」 新里陽一「作品付録集 N」刊行記念個展
51. 2019年 10月7日~10月19日 SPC GALLERY (兜町・東京)
「ノスタルジア」 藤崎しげる著「失われた時を求めて」刊行記念個展
52. 2021年 12月6日~12月18日 SPC GALLERY (兜町・東京)
「奇妙な果実」 個展
53. 2022年 10月3日~10月15日 SPC GALLERY (兜町・東京)
「種子の音」 個展
54. 2023年 11月6日~11月18日 ギャラリー彩園子 (盛岡・岩手)
「自らとの対話 空に吸われし十五の心」 個展
55. 2025年 9月19日~ 9月30日 SPC GALLERY (兜町・東京)
精神産物縁故2025 新里陽一追悼展 神田エレジー グループ展
新里 陽一 (SPC) 2022.10
2021.12 2019.10 2018.10 2016.08
2013.09 2012.10 2006.01 2003.09
その他、個展、グループ展多数。